2009年02月23日

第20話「体と会話する日々」

2005年1月6日

「体と会話する日々」

抗ガン剤治療の影響で、髪がだんだんと薄くなっていくことを感じながら、

なんとなくいやだなーと思う日々を過ごしている。

思った程は抜けていないので、なんとか過ごせているが、やはり薬の副作用を目の当たりにしてしまう。

もし私がこの真実に出会っていなければ、今どんな会話をしているだろうかとフッと想像する。

それはもう悲劇で大変だったかもしれない。

ましてや、冷静に自分の体と会話することなんか出来なかったはずだ。

良いも悪いもなく、ただ事実として、現象が見れるということは、とてもすごいことだ。

これを言うのは簡単だが、実際ここに生きれることは、神業かもしれないと思ってしまう程だ。

人間が生きるというのは、生きた屍でなければ様々な現象と出会うし、ましてや言葉に牛耳られている。

そこでこの言葉に牛耳られることなく、言葉を創りだせることをマスターすることが、

本来の生きる姿であろうと思う。

今、自分の体と会話し、ダンスが出来ることは、この上なく幸せだ。

絶望ではなく、可能が生まれるからだ。

髪が薄くなればなるはなるで、そのことと共にいる。

そして、日々進化を言葉で創りだすことが、全てと会話することと同じなのだと確信する。


第3話「入院第一日目」
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Posted by NAGAIトークスタジオ at 08:00│Comments(0)癌ダンス日記
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